Take 3

「きみは自分というものを正しく見ていないんだ。顔というものは、内的感情を表現する道具として人間に与えられているのだ。その点、きみの顔は、実に忠実な僕〈しもべ〉だよ」

〈ボール箱/ハヤカワ文庫/大久保康雄訳〉より

事件もなくお互い思い思いの事をする221bの居間で、いきなりホームズがワトスンの心で思っていた事を言い当て始める。(趣味?)
特別変わったこともしないのに心を読まれたのが納得できないワトスンに、ホームズが言ったセリフ。

原文は…

You do yourself an injustice. The features are given to man as the means by which he shall express his emotions, and yours are faithful servants.



時間と気持に余裕のある時、ワトスンをさかなに愉しむのはホームズの癖〈へき〉でしょぅが、"行動"だけでなくここでは"心の中まで読む"ってのが、Take1よりぐっとスペシャル。

考えてることを全て当てられて案の定、二度も叫ぶほど驚くワトスン…。(リアクションいいなァ)
その反応がまたホームズをやる気にさせていることは間違いない!


書いてある書いてある

そしてこの後、ワトスンが何を見て、何を思い、どう考えを進めていったか それはもうこと細かに(1ページ半にも渡って…)本人に解説するホームズ。 自分自身、何がきっかけで考え始めたか思い出せないくらいのことを、他人に理路整然と解説されるのって…どうなんでしょう。 不愉快な気持になるぐらいの勢いでもいいと思うんですが…。(ちなみに私なら気を許せなくてイヤです)
それを驚き、面白がりさえして受け入れてしまうワトスンの天然ぶりにチェックを入れたいところです。