電車の前は蒸気機関車

ものの本によると、鉄道の発祥地はイングランドだそうです。
まあ、産業革命の国。
そして、そのイギリスを真似てがんばったのが日本国の明治政府。
鉄道をひくのはともかく、やはり機関車自体はそうそう作れないわけで。

作れなければ、輸入すればいいじゃない?
ということで、これです!

1号機関車
 150形式蒸気機関車
1871年製造(明治4年)
イギリス バルカン・ファウンドリー社製 Vulcan Foundry Co.,Ltd
大宮の鉄道博物館に展示保存






1871年というと…
ホームズさんは推定17才!?
ワトスンさん推定19才!

ピッチピチの二人が、イギリスでこの機関車と同じものを見てたのやもしれませんよ!
と思えば感慨もひとしお。
でも、ヴィキで見てみたら、日本にやってきてからかなり改造されてるとのことが書いてありました。
本当は蒸気ドーム(煙突の次にある金色のやつね)はもっと運転台ギリのところにあって、今汽笛のついてるところらへんだったそうです。そして運転席はかなりオープンだったそうだ。
…バランス悪くない?


側面についていたプレート。

社名の下にある ニュートン・ル・ウィロウズ とは、イギリスの町の名前で、会社のあったところです。
一番下LANc は ランカシャー イングランド と。
このバルカン・ファウンドリー社は、蒸気機関車と電気機関車の製造で世界でもトップクラスの大きな会社だったよう。ニュートン・ル・ウィロウズは、イギリスの鉄人にはかかせない町のような匂いが
…。
創立1832年 1962年に閉鎖。
産業革命のまっただなかの時代から、第二次大戦終結後しばらくの間まで。
重機の時代を体現しているような会社です。







そしてお次は
1290形 蒸気機関車 善光号
1875年および1881年にイギリスから輸入
1873年および1881年製造
マニング・ウォードル社製造 Manning Wardle & Co.,Boyne Engine Works
大宮 鉄道博物館に展示保存







この子が1873年、1881年、どちらの製造なのかはわかりません! が、!
1881年と言えば?!
ホームズさんとワトスンさんの出会いの年!(といわれている年!)
ひゃっほう!
そう思えばテンションも上がる?
二人並んで、この機関車が通るのを見たやも?!

日本では、鉄道工事用に使用されていたそうです。重いレール運んだりしたんでしょうか。
力持ち。たくましい。もくもくと働く。
そんなイメージが日本人には強かったのか、どうも機関車は日本では「男」らしい。
でも、イギリスとかヨーロッパでは「女」。
先の1号もそうだけど、黒に金に赤で煙突細いってのは、かなり女性らしい姿。
日本製の機関車の太身で黒一色は、かなり男らしい姿。

「女性」だからなのか、かなり運転室がおしゃれ!
見てください、これ!












やっばり、黒と金! 下から上からのライトアップに映える映える!
舶来物は違うな〜! と、つい思ってしまう美しさ。

こんな綺麗な機関車に、「善光」?
何やら、いわれのある名前らしいですが…それにしても、色気なさすぎ。


マニング・ウォードル社は、イギリスのウェストヨークシャーにあるリーズのHunslet(多分ハンスレット)という町にあった蒸気機関車メーカーだそうです。
前身の会社は1812年に設立。いろいろあって、この名前の会社になったのが1840年。1927年に閉鎖。バルカン・ファウンドリー社より老舗?
でも、ヴィキの内容の量ではバルカン・ファウンドリーにかなり負けてます。町も鉄道臭さでは、かなりニュートン・ル・ウィロウズに負けてます。






そして、
ED17形式 
1923年(大正12年)東海道本線 東京〜国府津間 電化用にイギリスから輸入
イングリッシュ エレクトリック社製 English Electric & Co.,
大宮 鉄道博物館に展示保存

  

電化しました。電気で動く汽車です。
1923年
ホームズさん69才。「最後の挨拶」の9年後。
「這う男」が発表された年です。
同じイギリス製なのに…なんなんでしょうこの色気の無さ。



重いチョコレートのよう…。
でもどうやら色は日本で塗られたらしい。どうしてこう、地味な色が好きなんだろうなぁ。こいつの兄弟は、イギリスでは赤、ニュージーランドでは赤とか黄色とかで塗られていてかわいいのに。

「どこかイギリスらしいところはない?! 」
と騒ぐ私に
「あっ! ここ!」
と、いっしょに行った同僚(女)がみつけてくれたのがこれ。



鉄骨をそのまま使ったような車両側面にあった浮き彫り。
逆さに取り付けられてます。


DALZELL * STEEL
冠のマークがイギリスらしいということで。

ダルツェル スチール はイギリスの鉄鋼会社。
1871年設立。でも1967年にはブリティッシュ・スチールに統合されたそうです。
1960年代のイギリスは、いろいろと転換の時期だったのですね。

イングリッシュ エレクトリック社は1918年に設立されて今も健在。
家電から誘導ミサイルまで作ってるらしいよ。






以上、大宮の鉄道博物館に展示保存中の車両から、ホームズさんの生きた時代のイギリス製を抜き出してみました。
ホームズさんは、蒸気機関車の隆盛も、衰退も、電気機関車の登場も体験しているわけだ、と今さら実感。
どうも、馬車に蒸気機関車というイメージで考えてしまいがちです。反省。

と、いうことで、この回はこの辺で…



入口にもどる