花火の撮影  その方法と結果

実のところ、生まれてこのかた打ち上げの花火を撮影しようと思ったことがありませんでした。
ので、撮れば写るもん? くらいの軽〜い気持ちでいたのですが、調べてみたらそんなに軽くはありませなんだ。

まず、カメラのシャッターを開けっ放しにできるカメラでなければいけないのです。

どーん、と鳴って、下からひゅるる〜と光の筋が上がり、パーンと開き散っていくその軌道を全て一枚のフィルムに感光させるってのが、基本なんだそうで。
上がる時にシャッターを押して、花火が開いて消えたら閉じる。

言われてみれば「そうだわ」と納得。
そしてその点を考慮しますと、私のコンパクトデジカメにはその、開けっ放し機能はありません。1・2・4・8秒が選べるだけです。

でも、考えてみれば、花火一発上がって散るまで8秒もあれば大丈夫なんですけど、やっかいなところは、デジタルだけに、秒が長ければ長いほど、データ書き込みの時間がかかるってことなのです。寒いと働きが鈍くなるので通 常よりかかるだろうなと。あと、閉じるのがカメラまかせになっちゃうかな。

その点、一眼レフの方は、さすがに開けっ放しの機能がありましてこの点問題ないのですが、もう一つ重大な問題点が〜!

この、開けっ放しの機能ってのが、シャッターを押し続けていなければならないんですね。で、離すと閉じる。三脚で固定しているとは言え、カメラのシャッターを押しっぱなしで不動の姿勢をとり続けるのは、常人にはつらい話で。
撮ってる間にちょっとでもカメラが揺れると、それで花火がブレて撮れてしまうわけです。
それを解決するのが「レリーズ」というカメラのシャッターに取り付ける機材。長いコードで、先に着いてるボタンでシャッターを押したり離したりできるってものです。

これが、私の一眼レフったら、取り付けられない!! 
説明書読んで判明した時にはちょっとあぜんとしましたよ。
「おまえ、いくらしたと思ってる?! なに考えてるんだ?!」
『最新の技術を導入しながら、一眼レフが初めての方にも気軽に写真の楽しさを味わっていただけるように開発された、軽量 ・コンパクトでやさしいオートフォーカス一眼レフカメラです』(取説1ページより)

…と、いうことで、正攻法での花火撮影は無理なことが判明。

こうなったら応用編を考えねばと、考え出したのが次の方法です。
シャッター速度を10秒に設定する。
シャッターを押す時にブレてもいいように、黒い紙をレンズの前においてから押す。


シャッターが開いてから紙をはずす。


シャッターが閉じるタイミングは運まかせ。何枚か取ってればどうにかなるだろう…。
あとは、出たとこまかせでいいじゃん?!

と、いうことで本番!
三脚がカメラごと飛ばされそうな強風と降りしきる雪の中、なんとか撮れたのがこれです!


シャッター押してるとブレる?! 
そんな次元のブレ方じゃあありませんよ、強風のせいで!
三脚ずっとブルブル震えてるし、おまけに花火自体が広がったとたん風に流される!
まあ、その様子がある意味よく撮れてます! うん(T.T)




でも、なんだかこれはこれできれいかも…と、自分をなぐさめるのでした。

そして、くやしかったのは、フィルムの交換ができなかったこと!!
ものすごい風とビシビシ飛んでくる雪の中で、カメラのフタを開けられませんでした!
無理! 
ある意味、こんな日の花火は写真に撮るより実物の方がめちゃくちゃきれいです。
風に流れながら消える様も 、また風流。

まあ、これをバネに今度は夏の花火にチャレンジするのもいいかなと。
…いいのか?